【おすすめ文学】『友情』 武者小路実篤 著

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こんにちは。今回は武者小路実篤の『友情』について紹介したいと思います!

 

武者小路実篤の名を聞いたことがある人は少ないかもしれません。武者小路実篤は、1910年に志賀直哉らと「白樺」を創刊し、「文壇の天窓」を開け放ったと称賛されました。

 

その後、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、「友情」「幸福者」「愛と死」等を著しました。

 

その中でも今回は、『友情』について紹介していきたいと思います。

  

1.あらすじ

23歳にしてまだ女を知らない野島は、女を見るとすぐに結婚を連想してしまう。

友人の妹・杉子に出会って以来、片思いの熱にうかされる妄想の日々。

親友の大宮に抱えきれない熱い想いを打ち明けるが、実は大宮杉子に惹かれており、最終的に杉子からの求愛に応えてしまう…

400万人が感動した不朽の大失恋小説

 

 

2.感想

野島があこがれの女性を妄想の中で美化していくのは気持ち悪いと思ってしまいました。とはいえ、杉子から「生理的に無理」といわれ、振られる野島の精神的ショックは相当大きいだろうなと。

信仰的までといえる杉子への愛は杉子には決して届かない。杉子にとって野島は恋愛の対象ではないから。とても残酷だと思いました。

自分の感情を抑え野島の恋が実ることを応援していた大宮は、野島との友情をとるか、杉子との恋をとるかで悩む。しかし結局は野島を裏切る形で杉子との恋を選んでしまう。

友人同士における裏切りが、本当の友情なのかと思ってしまいました。裏切ってもなお、友が立ち直ることを信じる。お互いに信頼しあっているからこそ、大宮は裏切ることができたんだなと思いました。

 

100年以上前の作品ですが、現代にも通ずるところがあり、楽しめます

失恋したことがある方なら、共感できると思います。

ぜひ読んでみてください!