【本当に面白い映画!】『天使のくれた時間』(2000年)

 


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こんにちは。りっくんです!

「あの時、あの選択をしていたら?」

「人生において大切なものは何か?」

 誰もが疑問に思ったことがあると思います。

この『天使のくれた時間』という作品は、そのような疑問を観た人に投げかけるような作品です。

今回は、その『天使のくれた時間』について紹介したいと思います!

 

 

 

 

 

 

1.作品紹介

 

 

 

公開年:2000年

上映時間:2時間05分

監督:ブレット・ラトナー

出演:ニコラス・ケイジ、ティア・レオー二、ドン・チードル

 

2.あらすじ 

 

 

優雅な独身生活を謳歌していたビジネスマンが昔の恋人との“もうひとつの人生”を体験することで本当の幸せに目覚める姿を描いた大人のファンタジー。成功を夢見て恋人ケイトと別れロンドンへ旅立ったジャック。13年後のいま、ジャックは大手金融会社の社長として、優雅な独身生活を満喫していた。クリスマス・イブ、昔の恋人ケイトからの電話があったが、かけ直すことはしなかった。その夜、自宅で眠りについたジャックだが、目覚めると、ケイトと我が子2人に囲まれた家庭人ジャックになっていた……。(Yahoo! より)

 

3.『天使のくれた時間』の感想

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 この『天使のくれた時間』は、人生において大切なものが何であるのかを考えさせられる作品です。

地位や名声、お金。すべて手に入れて人生を謳歌する独身生活。

裕福ではないが、愛する家族に囲まれた生活。

いったい、どちらが幸せな人生なのか、、

観ていて、ほっこりとするファンタジー映画です。

 

3-1.あの時、あの選択をしていたら?

 

人生は選択の連続です。

1つの選択でその先の未来が全く変わることだってあります。

しかし、その選択が正しいのかどうかなんて誰にもわかりません。

自分で選んだ選択に誇りを持ち、その選択に後悔がないと信じられるかどうかが、大事なのだと分かりました。

 

3-2.きらめきは一瞬だ、永久には続かない

 

映画の中に、「きらめきは一瞬だ、永久には続かない」というセリフがでてきます。

人生の教訓ともいえる美しい言葉だと思います。

人生において、自分が幸せだと思えるような時間は、長く続きません。

だからこそ、その一瞬を心に刻んで、生きていかなければならないと教えてくれます。

 

4.さいごに

 

『天使のくれた時間』は、いろいろ考えさせてくれる作品です。

本当の幸せは何か、1つの選択で人生が大きく変わる などなど。

また、ティア・レオーニがとても可愛いです(笑)

興味のある方は、ぜひ観てください!

ここまでご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

【一度は読みたい小説】 『旅のラゴス』 筒井康隆 著

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こんにちは。りっくんです!

 

筒井康隆の『旅のラゴス

一度は耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。

 

とても不思議な世界観にあっという間に引き込まれます。

読んだ後は、とにかく旅に出たいという気持ちになります。

 

今回はそんな『旅のラゴス』について紹介したいと思います!

 

 

 

 

 

 

 

1.あらすじ

 

 

旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。

集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?

異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。 (Amazonより)

 

 

2.『旅のラゴス』の感想

 

 主人公・ラゴスの旅する世界では、人々は高度な文明を失った代償として”超能力”を手に入れました。そのため、ラゴスは、さまざまな超能力を持った人々に出会います。

 

集団転移(一瞬のうちに別の場所へ移動)、壁抜け(壁を抜ける)、飛行(空を飛ぶ)などなど。

 

ラゴスの旅は、奴隷になったり、王様になったりと波乱万丈です。

 

たくさんの人と出会い、さまざまな知識を吸収することでラゴスは精神力が鍛えられていきます。

 

そして、旅の目的を果たし、故郷に30年ぶりに帰ります。

 

しかし、旅の中で出会って以来ずっと想い続けてきた子を忘れることができず、年老いたラゴスは再び旅に出ます。

 

「旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない。たとえ死であってもだ。人生と同じようにね」

と、ラゴスは発言しています。

 

ラゴスにとっての旅は、人生そのものだったということです。

 

旅に始まり旅で終わるラゴス

 

旅に生きたラゴスの物語は最高に面白いです。

 

 

3.さいごに

 

SF小説を読んだことがない人でも楽しめる作品です。

 

私はこれを読んで、何度も読み返したいと思える作品になりました。

 

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

  

 

 

 

【就活のリアルを描いた小説!】『何者』 朝井リョウ 著

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こんにちは。りっくんです!

今回は”就活のリアル”を描いた小説『何者』について紹介したいと思います!

 

 

 

 

 

 

1.作品紹介

 

作者の朝井リョウは、『桐島、部活やめるってよ』の原作者として知られています

『何者』は、2013年に第148回直木賞を受賞した作品で、2016年に映画化もされました。

この作品は、就職活動を通して自分が「何者」であるかを模索する若者たちの姿を描いています。

 

2.登場人物

 

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拓人

冷静分析系男子。他人を見下しがち。

 

光太郎

天真爛漫系男子。明るくてコミュ力高い。

 

瑞月

地道素直系女子。ネガティブ。

 

理香

意識高い系女子。プライドが高い。

 

隆良

空想クリエイター系男子。人と違う自分かっこいい。

 

・サワ先輩

達観先輩系男子。上から目線。

 

 

 

3.あらすじ

 

 

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。(Amazonより)

 

 

 

4.『何者』の魅力

 

どの登場人物も現実にいるような人ばかりで、とても共感できます。

観察者ぶって、「自分は他の人とは違った角度から物事をみています」という感じを出す拓人。

明るくてコミュ力高いため、あっさり内定を取る光太郎。

意識高くて、自分の実績をアピールしてくる理香。などなど。

登場人物たちが、「何者かになりたい」という自意識と、そううまくはいかない現実の間で揺れ動いている姿を鮮明に描いています。

人の内定先をネットで検索して、それがブラック会社って噂されているようなところだったら、ちょっと慰められたり、メールアドレスからSNSのアカウントを探したりと。

人間の醜いところもリアルに描いています。

そのため、自分が抱えている闇が暴き出されるかのように感じてしまいます。

皆、自分じゃない「何者か」になろうとするが、自分は自分にしかなれないんだという現実を突き付けられます。

ダサくてカッコ悪いありのままの自分を素直に受け入れることの大切さを教えてくれます。

 

5.さいごに

 

就活のリアルを描いた作品なので、共感できるところがあると思います。

自分にとって、就活はまだ先の話ですが就活をする前に読めて良かったなと思いました。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください!

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

[大学生におすすめの小説!】『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦 著

 

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 こんにちは。りっくんです!

今回は大学生におすすめの小説『夜は短し歩けよ乙女』について紹介したいと思います!

 

 

 

 

 

 

1.どんな作品?

この作品は、森見登美彦による長編小説です。

第20回山本周五郎賞を受賞、2007年本屋大賞第2位に選ばれた作品です。

また、2017年にアニメーション映画化もされました。

京都大学と思われる大学や周辺地域を舞台にして、さえない男子学生と無邪気な後輩女性の恋物語を2人の視点から交互に描いています。

恋愛ファンタジーの大傑作です!

 

2.主な登場人物

黒髪の乙女

天然キャラの女子大生。好奇心旺盛でマイペース。「先輩」の想いには気づかず、待ち伏せはすべて奇遇だと思い込んでいる。

 

先輩(私)

偏屈で妄想癖のある大学生。クラブの後輩「黒髪の乙女」に想いを寄せるが、思考ばかりが先走りがちで行動がともわない。

 

羽貫さん

大酒飲みの美女。酔っぱらうと人の顔を舐める。職業は歯科衛生士。

 

樋口さん

「天狗」を自称する正体不明の若い男。いつも浴衣を着ている。地に足のつかない想像をすると宙に浮かぶことが出来る。

 

3.あらすじ

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。(Amazonより)

 

 4.『夜は短し歩けよ乙女』の見どころと魅力(ネタバレあり)

私は森見登美彦さんの作品は初めてでしたが、独特な世界観とレトロな雰囲気を醸し出す文体にハマってしまいました。

京都の大学を舞台に、くせの強いキャラクターがたくさんでてきて、2人は数々の珍事件に巻き込まれていきます。

深夜の先斗町を飲み歩き、古本市で絵本「ラ・タ・タ・タム」を探し出し、学園祭では劇「偏屈王」の主役を演じる。

とても不思議な世界観ですが、とにかく面白いです。

詭弁論部、三階建電車、ジュンパイロ、韋駄天コタツ、ごはん原理主義者、偽電気ブラン、酒と泪と男と男、なむなむ

「恥を知れ!そしてしかるのち死ね!」

「ひとりある身はなんとせう!」

「人事を尽くして、天命をまて」

言葉選びが最高すぎます。

森見ワールドにハマること間違いなしです!

 

5.さいごに

この作品は文体が美しく、不思議な世界観を体験できます。

 

古典的な言い回しは個人的にすごくハマりました。

 

森見さんの他の作品も読んでみたいと思います。

 

興味のある方は、ぜひ読んでみてください!

 

 

 

【インドの傑作コメディ映画!!】 『きっと、うまくいく』(2009年)



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こんにちは。りっくんです!

今回は、2013年に日本でも大ヒットを記録したインド映画『きっと、うまくいく』について紹介したいと思います!

 

 

 

 

 

 

 

 1.どんな作品?

 

 

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インド映画『きっと、うまくいく』は、インドで興行収入歴代ナンバー1を記録し、大ヒットとなったコメディ映画です。

難関大学に通う3バカトリオが巻き起こす騒動と、行方不明になったひとりをさがす10年後の彼らの姿を同時進行で描いています。

 

 

2.あらすじ

 

インドの超難関理系大学・ICEに入学してきた、天才肌で自由奔放なランチョー、工学よりも写真撮影のほうが好きなファラン、家が貧しい苦学生ラージューの3人。

3人はバカ騒ぎを繰り返し、鬼学長を激怒させていた。

彼らが卒業してから10年後、ランチョーが行方不明となり、ファランラージューは彼をさがす旅に出るが…

 

3.見どころ

 

 

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インド映画では、ナヴァ・ラサという9つの感情を取り入れるのが基本です。

 

・シュリンガーラ(恋情)

・ハースヤ(笑い、ユーモア)

・ラウドラ(怒り)

・カルナ(悲しみ)

・ビーバッア(嫌悪)

・バヤナカ(恐怖)

・ヴィーラ(勇猛)

・アドゥブタ(驚き)

・シャンタ(平安、寂静)

 

きっと、うまくいく』では9つの感情すべて入っています。しかも脚本が素晴らしいです。

そんな作品面白いに決まっています!

 

また、インド映画お決まりの歌とダンスも最高です。

メインテーマ曲の「ALL IZZ WELL」(うまーくいーく)

この歌とダンスは、ノリノリになれるし、元気が出ます!

 

元気がなかったり、嫌なことがあったりしたときにこの映画を見れば、すべて吹っ飛びます!それくらい笑顔になれて面白いです!!

 

また、この映画は現代の教育制度への風刺や幸せな生き方など、メッセージ性が強い映画です。

 

ただ暗記をしたり、良い点数をとることに重きを置く教育のあり方に疑問を投げかけています。

 

学ぶこと、それ自体を楽しむ。これが学ぶことの本来の意味だということを教えてくれます。

 

さらに、自分の好きなことをして生きていくことで、自分らしく生きていくことが大切だということも教えてくれます。

 

成功ではなく優秀さを追求しろ。成功は自ずとついてくる

 

ランチョーが言った名言です。

 

この他にもいろいろな名言が出てきます!

 

名言を探しながら見るのも楽しいかもしれませんね。

 

4.さいごに

 

きっと、うまくいく』は笑えて泣ける名作です!

 

見どころもたくさんあります。

 

面白いのでぜひ、見てください!

 

 

 

 

 

 

【塾講師をしていて思うこと】親が無理やり塾に行かせるのはNG?

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こんにちは。りっくんです!

今回は一年間、塾講師のバイトをしてみて個人的に感じたことについて書きたいと思います。

私は去年の4月から、とある個別指導の塾で塾講師のアルバイトをしています。

主に中学生が対象で、国語・数学・英語・社会・理科を教えています。高校生に英語や数学を教えることもあります。

基本的には、講師1人に対し生徒が2人という感じです。(講習の期間は、講師1人に対し生徒3人)

1年間、いろんな生徒を担当してきて、思うところがありました。

それは、親に無理やり塾に行かされている子が多いということです。

宿題をしてこない子授業中寝てしまう子トイレに行くといって授業が終わる5分前に戻ってくる子など、さまざまな生徒がいました。

勿論、真面目な生徒もいますが、多くの生徒からは勉強をしようという意思が伝わってきません。

そもそも彼らは、親に無理やり行かされているのです。そんな状態では真面目に勉強をしません。

その結果、成績はあまり上がらず、勉強へのモチベーションが下がるだけです。

問題なのは、塾に来ても真面目に授業を受ける生徒ではなく、塾に行かせると成績が上がると考えている親ではないかと思います。

子ども、親、塾長の三者面談をみていても、必死なのはいつも親です。子どもの成績が悪いことに対して不安を抱くことは当たり前です。

しかし、塾に通わせるだけで成績が上がるなどという、うまい話はありません。

まずは、子どもに勉強へのモチベーションをもたせることが最優先かと思います。

勉強のやる気をだす➡主体的に勉強をする➡分からないところが多くなる➡塾に行くか考える

本来、こういう流れであるべきだと思います。

本人が、「塾に行って分からないところをなくしたいたい」、「先取りして勉強したい」という気持ちをもち、その意思を尊重する形で親が子を塾に行かせてあげる。

この流れができたうえで、子どもに塾へ行かせると授業も真面目に聞くようになり、成績も上がること間違いなしです。

この流れができていない段階で、子どもを塾に行かせても成績が上がるはずはなく、月謝はムダ金になってしまいます。

1番大事なのは、いかにして子どもに勉強のやる気を出させるかです。

塾に行かせるのはそのあとです。

かといって、親が子に「勉強しろ」と注意したところで、子どもは勉強をするはずはなく、モチベーションが下がり余計に嫌になるかもしれません。

子どもに勉強のやる気を出させることはとても難しいと思います。しかし、勉強は楽しいものだと思わせることが出来たら、子どもは自然と勉強すると思います。

個人的にも、勉強のやる気がある生徒に教えるほうが楽しいです。もっと教えてあげたいという気持ちにさせてくれます。

子供の成績に悩んでいる方。まずは、子どもに勉強のやる気を出させる方法を考えてみてください。

以上、1年間塾講師をしてみて思ったことについて書いてみました。

お読みいただきありがとうございました!

 

 

【おすすめ文学】『砂の女』 安部公房 著

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こんにちは。りっくんです。今回は安部公房の『砂の女』を読んでみての感想を書きたいと思います!

 

 

 作品紹介

 

 この作品は、安部公房の代表的作品で、近代日本文学を代表する傑作の一つとしてみなされているだけでなく、海外でも評価が高い作品です。また、読売文学賞やフランスの最優秀外国文学賞を受賞、20数ヵ国語に翻訳された名作です。

 

 

あらすじ

 

8月のある日、(仁木順平)は、休暇を利用して砂丘の村へ昆虫採集に出かけた。そこで老人に、部落の中にある民家に泊まるように勧められた。その家は砂穴の底に埋もれていく一軒家であり、が一人で住んでいた。一夜明けると、昨日までかかっていたはずの縄はしごが村人によって取り外され、は穴の下に閉じ込められることになった。村の家々は、常に砂を穴の外に運び出さなければ、家が砂に埋もれてしまうため、砂をかかなければならなかった。は、と砂をかく生活をしながら、さまざまな方法で脱出を試みて、ついに外に出ることができた。しかし、逃走中に村人に見つかってしまい、再び穴に戻された。はあきらめて穴の生活に慣れていく。そして冬が過ぎ、は妊娠した。その2か月後、が子宮外妊娠で病院へ運ばれていった。が連れていかれた後、縄はしごがそのままになっていた。が選んだ決断は…

 

 

感想

 

  ー罰がなければ、逃げるたのしみもない

男は砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められ、砂をかくだけの日常に抵抗感を示し、何度も脱出を試みて自由を求める。

それに対して、女は蟻地獄の中での生活に満足している。女がなぜこの生活に満足できるのか疑問に思う男だったが、穴の中の生活にだんだん順応していき、そのうち外の世界への関心を失っていく。

そして、穴の中で溜水装置という、「よりどころになるもの」がみつかる。

毎日砂をかくだけの生活を拒絶していた男だったが、「自分のそれまでの生活だって、たいして変わらないのではないか」と気づく。

そして、毎日同じことを繰り返す日常の中にも「よりどころになるもの」「希望」を見いだすことで、次第にその状況に慣れていってしまう。

これは、現代の社会に当てはまるのではないかと思ってしまいました。

よりどころになるもの」や「希望」があることで、何か大きなものに飲み込まれていき、次第にその環境に慣れていってしまう。

とても恐ろしいなと思いました。

不条理な世界における「幸福」とは何なのか、本当の「自由」とは何なのか、深く考えさせられる作品でした。